身近に迫ってきた業界M&A
パチンコ市場規模・動向 2019/10/10
兵庫、大阪を中心に多店舗展開するキコーナグループ(アンダーツリー株式会社・木下春雄社長)は7月30日、グループの出店店舗数が150店舗を達成したと発表した。同社では、これを記念して「キコーナ150店舗突破!感謝キャンペーン」を実施~(以下略)
(遊技通信より)
あの「キコーナ」が150店舗を突破した。そして豪華景品のキャンペーンを展開するという。業界的としてもとても明るい話題であり、さらなる発展を期待したい話題である。
業界外でも最近、有名ドラッグストア「マツキヨ」のマツモトキヨシと、やはり大手のココカラファインが統合協議をするというニュースが流れた。
ココカラファインをめぐってはマツキヨとスギHDの争奪戦からマツキヨに軍配が上がったということだが、実現すれば売上高1兆円規模で業界トップとなるという。また昨年末にも、国内トップシェアを誇る武田薬品工業が、アイルランド製薬大手シャイアーの買収を決め話題を集めた。こちらはなんと買収金額は7兆円近くになる見込みで、国内企業のM&Aとしてはもちろん過去最高金額。武田はいよいよグローバル市場に打って出ることになる。
そしてパチンコ業界でも、である。しかし冷静に考えると、店舗数が増えたことを記念するキャンペーンというのは、実は過去にほとんど無かったのではないだろうか。店舗数については毎年の統計数値を見ることはできる。だが法人がその数値でキャンペーンをするというのは珍しいと言えるだろう。
現在、パチンコ業界の店舗数はダイナムが405店舗(2019年4月26日現在)、マルハンが317店舗(2019年3月期)を全国展開しており、3位に167店舗(2018年5月末現在)のガイア、そして4位にキコーナが入ることになる。なお、売上規模はマルハンが約1兆5000億円と2位ダイナムの約2倍とダントツだが、店舗数ではこの順位である。
キコーナと言えば2015年に茨城の「金馬車」、2017年に神奈川「ジリオン」7店舗、そして最近も関西の「OK牧場」(㈱キョウサン)をグループ化するなどしている。2015年には店舗数が50店舗台だったことを考えると凄まじい拡大スピードだ。またダイナムも2015年に愛知県の「夢屋」39店舗(夢コーポレーション㈱)をグループ化した経緯もあり、平成末にはこうした流れが確定していたのだ。業界はいよいよ「規模の経済性」を全面に打ち出して生き残りフェーズに向かっているのだ。
「M&A」とはMergers and Acquisitionsの略で合併と買収の事。マイナスなイメージもあるが、事業承継問題の解決や雇用安定などの経営課題を解決でき、成長戦略のツールとして中堅中小企業でも活用が進んでいるのも事実。
あなたのパチンコ店も例外ではないかもしれない。M&Aはニュースだけでなく身近に迫っているのだ。