海物語シリーズの元祖は?
パチンコのユルイ雑学 2019/10/24
三洋の「海物語シリーズ」は、1999年の登場以来20年にわたってパチンコ店の人気機種として君臨するパチンコ機の最大ブランドです。シリーズだけでも約50機種が発売され、その累計は恐らく1000万台に到達しているのではないでしょうか。最新機種は遊パチの「PA海物語3R2」。またホールでは「PAスーパー海物語 IN JAPAN2 with 太鼓の達人」が人気となっています(いずれも2019・11月現在)。
同シリーズは横スクロール5ラインの図柄配列で、その名の通り海を舞台にしています。シリーズを通してシンプルな演出が特徴で、マリンちゃんやサムなどのキャラクターや魚群予告などが基本的な演出となっています。
ところで「海物語」の歴史を語る上で欠かせないのが、1995年に登場した権利物「ギンギラパラダイス」です。通称「ギンパラ」。ダブルラインのマリンちゃんリーチで当時は悶絶してました。40代以上のファンなら懐かしく思い出す人も多いのではないでしょうか。全4シリーズが登場し、特に「CRギンギラパラダイス」は全盛期に中古台の価格が100万円を超えるという異常な人気を集めました。中古台が高騰するということは市場は品薄だったということ。実は「ギンパラ」の発売当初のセールスは芳しいものでは無かったのです。
その理由はとても明快で、当時の店長や現場責任者の意見は「横スクロールはファンに受けない」というものでした。現在もそうですが、セブン機は液晶機であれドラム機であれ「縦スクロール」が主流であり、1990年代当時は「横スクロール」にヒット機種は無かったのです。そのためギンパラの購入に二の足を踏むホールが多く、先行導入店の様子を見るという情勢でした。
ところが、ギンパラはそのシンプルなゲーム性とライトな確率(223分の1、241分の1、257分の1の3段階設定)、そして「権利物」特有の一気の大量出玉から人気に火が付き、今でいう所の“大ブレーク”を果たしました。その人気ぶりは盤面上にも現れ、ブッコミ部分のセル画は玉とこすれて削れ、ブッコミのクギは折れて新品に打ち直されていたりするなど、どのホールもギンパラは稼働状況が良く、店舗側も長期にわたり大事に使い込んでいたのではないでしょうか。
そんな「ギンパラ」のロングヒットを受け、1999年に登場したのが「CR海物語S5」でした。当時は確変に「5回リミッター」の規制があったためセブン機の人気は低迷していたのですが、そんな逆風を物ともせず大ヒットを記録。さらに5回リミッターの内規が撤廃されると「CR海物語3」や「CR海物語3R」が登場し、後者は50万台とも言われる超えるメガヒットを記録したのです。その後は説明するまでもありません。現在ではほとんどのホールに「海物語シリーズ」が設置されており、機種ブランドの金字塔となっています。
メーカー側の意図した結果なのかどうかはわかりませんが、大人気の海物語シリーズはギンパラのヒットがあったからこそ生まれた、「海物語シリーズの元祖はギンパラ」といえるかもしれません。