パチンコ玉はなぜ「銀玉」なのか
パチンコのユルイ雑学 2020/9/10
パチンコの玉と言えば「銀色」の玉が定番ですね。金色もかなり普及していますが、イメージ的にはやっぱり銀玉がしっくりきます。でも、なぜパチンコ玉は銀色なんでしょうか?
パチンコ玉は法律では「遊技球」と呼ばれています。国家公安委員会の定めた規則「遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則」(昭和六十年国家公安委員会規則第四号)により、大きさや重さなどの規格が定められています。
材質は鉄(鋼製)で、色はクロム加工された銀色とチタン加工された金色の2種類がパチンコ玉として流通しています。
戦後に復活したパチンコでは当初は軍事用のベアリングが流用されていましたが、昭和20年代後半の最初のブームを迎えパチンコ専用の玉が製造されるようになり、昭和40年頃にはクロムメッキを施された玉が登場しました。
つまり、戦後一貫してパチンコ玉は鉄に硬質加工が施したものが主流で、色は自然と「銀色」だったわけですね。
なお、玉は「刻印球」と呼ばれる球に店舗や会社のロゴが刻印されている物と、「無地球」と呼ばれる刻印がない物があります。
上記にあるように、品質の規定は昭和60年の国家公安委員会規則により定められて現在に至っています。
その内容は次の通りです(一部抜粋)。
・遊技球には、直径十一 mm の玉を用いること
・遊技球には、五・四 g 以上五・七 g 以下の質量の玉を用いること
・鋼製であること
・均一の材質のものを用いること
ところで玉の色が銀である理由は分かりましたが、なぜ金色以外の赤や青など他の色は無いのでしょうか。
規則を見ると特に色の指定はありません。カラフルな色があっても良いし、実際様々な色の玉を製造することは技術的には可能です。
実は以前に金色のほかにも赤玉、青玉、緑玉などが登場したことがありました。
しかし、パチンコ玉は絶えずクギや他の玉と接触するため高度の耐久性が要求されますが、銀のクロムメッキと金のチタンメッキ以外は耐久性に難があり、製造コストも高いため姿を消したのです。
余談ですが、大昔のホールでは常連さんがカップや灰皿に玉を貯めている光景が見られたものでした。溜められている玉はよく見れば、黒や赤くサビたもの、一部が欠けているもの、他店のものなどでした(他店の玉は刻印のデザインが違うので結構目立つのです)。
そしてある程度溜まった玉を店員に渡すとかなり喜ばれたのです。店員はさりげなくジュースを渡してくれたりしました。古き良きパチンコ店の風景です。
現在のパチンコ玉は耐久性が高く普段から綺麗に洗浄・研磨される玉ばかりですから、汚れた玉はめったに見かけなくなりました。でも昔のホールでは「混入」と呼ばれる他店の玉やサビて汚れた玉が少なくなかったのです。
かつて「パチンコ1台あたりの玉数は10,000~20,000個」は必要とされていましたから、店舗全体では莫大な量の玉を必要としました。僅かなコストアップや耐久性の低下はホール経営に大きく跳ね返って来ることは容易に想像できますし、廃棄しなければならない玉の選別も大変だったのです。
今ではパーソナルシステムの普及で一台当たり数千個で済むため、パチンコ玉の店舗当たりの必要量はだいぶ減ったようです。
そろそろ銀や金色以外の色の玉が復活しても良いかもしれませんね。