健康診断書のポイント
転職雑記 2022/9/1
転職時、内定後に健康診断書の提出を求められる場合があります。
初めての転職の場合は健康診断書の取得方法や費用など、わからない点も多いのではないでしょうか。
また、健康診断の結果で不採用になるかもしれないと不安になってしまうこともあるかもしれません。
今回は転職にともなう健康診断について、受ける場所や時期、費用や注意点などについてお伝えします。
1.健康診断が必要な理由
転職時における健康診断は「雇い入れ時健康診断」といって、会社は「労働安全衛生規則第43条」により“常時使用する労働者”を雇い入れる時、医師による健康診断を行うことが義務付けられていることによります。
また、43条とは別に「労働安全衛生規則第44条」により、会社は1年以内ごとに1回、定期に従業員に健康診断を受診させなければなりません。
【健康診断の対象者】(労働安全衛生法の第44条)
1 雇用期間の定めのない人
2 雇用期間の定めがあっても1年以上勤務する予定の人
3 雇用期間の定めがあっても1年以上勤務することがすでに決まっている人
4 パートやアルバイトは週の労働時間が正社員の4分の3以上の人
※(上記1~3の勤務形態に当てはまるものの、1週間の所定労働時間が同じ業務に従事している労働者の1/2以上の場合は健康診断が必須ではありません)
また、厚生労働省の「労働安全衛生法第66条」においても、「事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による健康診断を行なわなければならない」等が定められています。
なお、ドライバーや製造業などでは、適性検査を兼ねたものとなります。
製造業はアレルギーなどがあると健康被害につながる恐れもあるため、事前にチェックが必要とされています。
通常は健康診断の結果が採用の合否に関係することはありませんが、業務に対しての適性を判断するという目的であれば、基準を満たさない場合は採用されないケースもあることに留意しておきましょう。
2.転職時の健康診断のタイミングは?
基本的に転職時の健康診断は雇入れ直後であることが多く、入社日までにしておくことが必須というわけではありません。
そのため自主的に受けに行く必要はありません。
なお、入社前の3ヶ月以内に医師の診断を受けて会社に提出しているなどしていれば、入社直後の健康診断は省略されることがあります。
ただし、その場合は11の検査項目をすべて網羅していることが必須です。
もし抜けている項目があると、もう一度入社直後に健康診断を受けることになります。健康診断の内容については会社に確認すると良いでしょう。
【『労働安全衛生規則第43条 雇い入れ時の健康診断』が定める11項目】
①既往歴及び業務歴の調査
②自覚症状及び他覚症状の有無の検査
③身長、体重、視力及び聴力(1,000Hz及び4,000Hzの音に係る聴力)の検査
④胸部エックス線検査
⑤血圧の測定
⑥貧血検査(血色素量及び赤血球数の検査)
⑦肝機能検査(GOT、GPT、γ―GTPの検査)
⑧血中脂質検査(血清総コレステロール、HDLコレステロール、及び血清トリグリセライドの量の検査)
⑨血糖検査
⑩尿検査(尿中の糖及び蛋白の有無の検査)
⑪心電図検査
※その他会社指定の項目
入社に関する健康診断には具体的な期限はありませんが、雇入れの前後3ヶ月以内の実施が望ましいとされています。
3.健康診断はどこで受ける?
企業によってはあらかじめ医療機関が決まっているので、その場合は指定されるのが一般的です。
もし会社側が医療機関を指定しない場合は、自分で健康診断を実施している医療機関を探して受けに行く必要があります。
健康診断は眼科や小児科といった専門病院を除いて、ほとんどの医療機関で受けることができますので、心当たりの病院等があれば健康診断ができるか問い合わせてみましょう。
また、前述の必要な11の検査項目を網羅しているかどうかも確認しておくとよいでしょう。
4.健康診断の費用について
健康診断は保険適用外であるため、費用は受診する機関によって異なりますが、相場は1万円前後です。
基本的に転職先の会社が費用を負担することが多いですが、会社が負担する決まりはありません。
しかし、雇入れ時の健康診断は会社の義務である以上、内定後であればほとんどの場合会社負担となりますが、費用の負担についても確認するとよいでしょう。
5.健康診断も転職活動の一部
転職活動は内定を貰って終了と言うわけではありません。
入社手続きを行い、入社後の定着までを持ってようやく終了と言えます。
健康診断も転職活動のひとつとして考え、滞りなく速やかに対応するのがベターといえます。