契約社員と派遣社員の違い
転職雑記 2023/4/27
転職では正社員が前提の人は多いと思いますが、一般的に知られる「社員」の雇用形態には、「正社員」のほかに「契約社員」や「派遣社員」などがあります。
正社員になるには時間がかかる場合が多いですが、「契約社員」や「派遣社員」なら条件次第で入社しやすい場合があります。ただ、「契約社員」と「派遣社員」について、その違いが分からない人が意外に多いようです。
契約社員と派遣社員は待遇が正社員と似ていますが、実は契約内容に大きな違いがあります。
今回は、分かりづらい「契約社員」「派遣社員」の違いについて解説します。
1.契約社員と派遣社員の定義
契約社員と派遣社員について、その定義を確認してみましょう。
【契約社員】
・契約先は勤務会社
契約社員は正社員と同じく雇用主と職場が同じ会社であり、働き方や扱いも正社員とほぼ同じです。
ただし、契約社員は雇用期間に期限がある「有期雇用契約」のため、雇用契約で決められた期間のみ働くことになります。
長く働く場合には雇用期間を延長が必要です。なお、契約社員の1回の契約期間は最長で3年です。
【派遣社員】
・契約先は派遣会社
派遣社員は、派遣元(派遣会社)と雇用契約を結び、派遣先(派遣元とは別の会社)で働く人のことです。
業務に関する指示は派遣先の企業から受けることになりますが、給与の支払いや福利厚生の適用は派遣元からになります。
このように、契約社員と派遣社員はその契約先が異なっているのが大きな違いです。
契約社員は正社員に近い存在ですが、派遣社員は契約先が違う上に仕事の責任も重くありません。
2.メリットとデメリット
契約社員や派遣社員は、正社員より入社のハードルが低いなどメリットがありますが、当然メリットだけでなくデメリットも存在します。
選択に当たってはそれぞれのメリットやデメリットを理解して選ぶことが大切です。
【契約社員のメリット】
①仕事を選ぶことができる
契約社員の大きなメリットは、希望の職種や業種を選べることです。
正社員としての就職が難しい場合でも、契約社員なら働けるチャンスは高まります。
②給与が正社員に近い
契約社員は正社員と待遇がほとんど変わらないというメリットがあります。
月給だけで見ると正社員より高い場合もあります。これは正社員と違いボーナスが無く、在席期間も短いために月給を高く設定できるためです。
③契約期間がある
契約期間が終われば、仕事を継続するか辞めるかは自由です。職場があわないと感じれば、契約満了という形で退職すれば良いだけです。
④正社員登用の可能性がある
契約社員は、働きぶりによっては正社員として雇用してもらえる可能性があります。
もし本気で正社員登用制度を利用したい場合は、実際に正社員になった実績や登用の社内規定があるかなどを契約する際に確認をしておきましょう。
⑤大きな責任を負うことが少ない
正社員に比べて大きな責任を負わずにすむというメリットもあります。
契約社員は特定の業務を担当するなど決められた範囲内での業務になるのが一般的です。
⑥異動・転勤がない
契約社員の場合は、雇用契約で勤務地が明記されていれば転勤はありません。
異動や転勤がないことをメリットと感じる人も多いでしょう。
【契約社員のデメリット】
①雇用期間が限定される
契約社員の1回の契約期間は3年以内、高度専門職および満60歳以上の方は5年以内が上限です。
②雇用が安定しない
契約社員は契約が更新されなければ、次の勤務先を探さなければなりません。
③昇給や昇格がない
契約社員の給与は雇用契約書に記載されている金額での支給となります。どれだけ業績を出しても再び契約が更新されるまでは昇給しないし、責任ある立場などへの昇格も無いのが一般的です。
④裁量権が少ない
契約社員として働いていると、裁量権が少ないというデメリットを感じることもあります。特に正社員と変わらない業務を担当していたり、特筆するスキルを持っていたりすると不満を感じるのではないでしょうか。
【派遣社員のメリット】
①仕事を選ぶことができる
これは契約社員と同様で、キャリアを活かした仕事を選べるのが派遣社員の一番の魅力です。「コミュニケーション能力を生かしたい」「英語力を仕事に活かしたい」など自分の専門性を活かしたいと考えた場合、それに合わせた職場を選ぶことができるでしょう。
②働き方の自由度が高い
自分の希望する条件で働けるというメリットがあります。職種、勤務時間、勤務地など、自分のライフスタイルに合う仕事を選ぶことが出来ます。
③派遣会社が会社を紹介してくれる
派遣会社が自分に合った派遣先を紹介してくれる上に、派遣終了後もまた派遣先を紹介してくれるので、仕事探しの手間が少なくなります。
④労働条件も派遣会社が交渉してくれる
給与や待遇も派遣会社が勤務先の会社と交渉してくれるので楽です。
会社に面と向かって待遇アップの相談はしにくいものですが、派遣会社を通せば伝えやすいというメリットがあります。
【派遣社員のデメリット】
①派遣期間に上限がある
派遣で働き続けられる期間は基本3年です。長くても3年までしか同じ職場で働くことができません。そのため長期的に働きたいと考えている人には不向きと言えます。
②給与の差が大きい
派遣社員の給与は時給制でボーナスもない場合がほとんどです。また、専門職であれば給与が高いことも多いですが、特別なスキルが無い場合はそれなりの金額になります。
③仕事の裁量権が少ない
派遣社員は、基本的に立案や責任ある仕事を任せてもらえるケースは少ないでしょう。
業務範囲が限定的であることはメリットでもありますが、人によっては物足りなさを感じるかもしれません。
3.派遣社員と契約社員、どっちが良い?
もし派遣社員か契約社員かで迷った時は、将来性を取るか自由度を取るかで考えてみて下さい。
「将来的に正社員として働きたい」「希望する職種が具体的にある」という人は契約社員として働くのが良いでしょう。
一方、気楽に働きたいなら派遣社員が良いかもしれません。正社員や契約社員としては入社することが難しい大手人気企業でも、派遣社員なら入りやすい場合もあります。
どちらが自分に合っているかをよく検討されることをオススメ致します。