法律関係
有休消化期間と転職先の試用期間が重なるのは問題になりますか?
有給消化中に転職先に入社することを禁じる法律はありません。
二重就労の禁止を就業規則に設けている会社はありますが、基本的には、前職(在職企業)の了解があれば、この禁止規定に抵触することもありません。しかし、実質的に期間を重ねての就業には、いくつか問題があります。
通常試用期間であっても、転職先企業では雇用保険の手続きをとるはずです。その際、現職の雇用保険を喪失していなければ、転職先企業では手続きをとれません。(ちなみに、健康保険と厚生年金、労災保険は二重加入できます。)また、転職先企業に就職したにもかかわらず、有給を取得することは、2社から給与をもらうことになりますので、一般的に就業規則で禁止されている兼業にあたり、さらに所得税の取り扱いも変わります。
その為、在職中の企業を退職した際、社会保険喪失証明書をもらい、3カ月間は国民健康保険に加入する方法をとられたほうが無難です。ただ、国民健康保険に加入した場合、支払わなければならない保険料は全額自己負担となります。その他、現在勤務している企業にお願いし、任意継続被保険者として社会保険の資格を延長してもらう方法もあります。この場合も保険料は全額自分で支払うことになります。退職に備え、こうした保険関連の仕組みも知識として備えられておいて損はないかと思います。