内定・入社
説明なしに試用期間を延長することはありますか?
前提として、試用期間を設けるか否かについて直接規制する法律はありません。その上で試用期間を設ける場合には、その期間や期間中の処遇について規定しておく必要があり、以下の条件を満たしている場合に限り、試用期間の延長は可能です。
1.延長するに相当する合理的理由があること
2.必ず期間を限って試用期間を延長すること
3.社員への説明を行い合意を得ること
4.試用期間延長について明文化された就業規則等があること
当初予定した試用期間内では本人の能力や適性が十分見極められないため、試用期間を延長して様子を見たいということがあります。しかし、試用期間は会社が自由に延長できるものではなく、それ相応の理由がないと認められません。
例えば、本来は解雇に該当するが、解雇を猶予する措置として試用期間を延長するといった状況などです。延長をする場合には、本人へ説明の上合意も得なければなりませんので、説明なしに勝手に行なうということはないでしょう。また、試用期間中は社員を不安定な状態に置くため、長期間の試用期間は望ましくなく、1年が限度と考えられています。
過去の判例でも、長期間の試用期間もしくは定めのない試用期間に対して争われているケースが多々見受けられます。こうした場合には、社員としてもただ指示に黙って従うのではなく、延長の理由をしっかりと説明してもらう姿勢をとることが必要です。