求人企業への質問は「無難」が一番ダメ!
転職雑記 2017/3/23
先日、パチンコホールで店長として働きながら転職活動をしているHさんに「今度、面接を受けるのですが、求人企業側へどんな質問をしたらいいのでしょう?」と聞かれました。
どうやら、知り合いから「面接時に良い質問をすることが内定に直結する」と言われてプレッシャーを感じたようなのです。
第一希望の企業の面接がすぐ近くに迫っていることもあり、不安になっている様子が感じられました。
面接試験のマニュアル本にも「求人企業への質問を事前に準備しておきましょう」といったことがよく書かれています。しかし、質問を用意していても、聞きたいことを先に求人企業から全部説明されてしまい、「どうしよう」と困ってしまうケースもあります。
ですから、準備さえしておけば、それだけで万事解決するというものではありません。
1.質問は入社意欲の表れ
では、転職希望者からの質問は求人企業側にとってどのような意味を持つのでしょう。積極的な質問は、求人企業に対する興味や入社意欲の表れです。一般的に、質問が多ければ多いほど、深い質問をすればするほど、意欲が高いとみなされることになります。
実際、パチンコ業界での経験や実績は文句なしの人物でありながら、面接で「何か質問はありますか?」と聞かれた際に「ありません」と即答した人が、入社意欲に疑問ありと判断され、不採用になった事例もあるのです。
とはいえ、質問は「とりあえず何でもいいからすればいい」というものではありません。予め質問項目を考えていると、それを切り出すことだけに集中してしまい、相手の話を聞くことが疎かになりがちです。その結果、求人企業側がすでに説明しているのにもかかわらず、用意してきた質問を口にして、「それは先ほど説明しましたが」と言われて青ざめることになるといったことも起こりえます。
また、浅すぎる質問をしたことで場の雰囲気が悪くなったり、不勉強な印象を与えたりすることもあるでしょう。しかしそれでも、面接の場で質問することには大きな意義があると思います。
2.面接はお互いに理解を深める場
面接で質問をすることの意義とは何か――。それは、求人企業を深く知るための大事なコミュニケーションということです。転職には覚悟やリスク、心身への負担といったものがつきまとうため、決して軽々しくできるものではありません。人生において転職は、重要かつ大きな出来事なのです。
そんな転職を納得いくものにするためには、求人企業をしっかり理解することが大事なのは言うまでもないでしょう。企業のホームページや求人情報だけでは分からないことを知る場として、とても貴重なのが面接ですから、それを活かさない手はありません。
面接は、転職希望者が求人企業側へアピールする場であると同時に、企業側が自分たちのことを転職希望者に深く知ってもらう場でもあります。いわば、お互いに理解を深める場なのですから、様々な質問を通して「情報収集」をすることが何よりも大事なのです。
3.問題や短所を探る質問をしてみる
では、どのような質問が良い質問と言えるのでしょうか。質問をする時に一番大切なのは「求人企業の本音を探ること」なのです。もし、「何を聞けばいいのか分からない」という場合は、求人企業の問題点や短所を聞いてみるといいでしょう。
面接で求人企業側は、転職希望者の経験や実績、長所と短所を聞いた上で、採用に値するかどうかを総合的に判断します。ですから逆に、転職希望者も求人企業側の良いところばかりに目を向けず、気がかりな部分について質問をぶつけてみればいいのです。
お互いに悪い部分には目をつぶり、良いことばかりを言い、入社した後に「こんなはずではなかった」「こんなことがあるとは聞いていなかった」と後悔しても遅いのですから。
少し厳しい質問をしてこそ、求人企業側の本音を引き出せるのではないでしょうか。お互いに、面接のマニュアル本にあるような質問を繰り返し、ありきたりなやりとりをしてしまうと、上辺のことしか分からないかもしれません。
4.まとめ
面接では、人は誰でも「失敗をしたくない」「良い印象を与えたい」という思いが強くなるものです。しかし、そうした気持ちが強ければ強いほど、無難に済ませようとして守りに徹してしまい、結果的に良いアピールができません。
「攻めの質問をしなければ」と気負う必要はありませんが、面接官に熱意が伝わるような姿勢、そして質問をすることだけは忘れないで下さい。「この人は、他の人とは一味違うな」と思わせることができれば、採用はもうすぐそこだと言ってもいいでしょう。