求人企業には見直してほしい! 目標採用人数の決定について
転職雑記 2017/9/7
以前、関東エリアでパチンコホールを2店舗運営している社長から、「優秀な店長経験者を、1名採用したい」という連絡がありました。2店舗のうち、1店舗のパチンコホールを数十年ぶりにリニューアルする予定があり、それを成功させるためにも、優秀な店長経験者を求めているとのこと。
この連絡があったあと、すぐに複数の店長経験者をそのパチンコホール企業に紹介しました。そして、1名の店長経験者が採用となったのですが、「もう1名採用したい」と、再度そのパチンコホール企業から連絡がきました。当初の目標採用人数は1名だったけれど、思ったよりもスムーズに、高い水準の人材を採用することができたので、追加で採用したいとのことでした。
さて、ここで考えてみてほしいのは、「求人企業が同じタイミングで複数名、転職希望者を採用することのメリット・デメリット」です。
1.複数名採用するメリット・デメリット
まず、転職希望者を同じタイミングで複数名採用することによるメリットは、
・複数名の同時入社になるので、転職後には協力して仕事ができる
・仮に1名の採用者が期待以下のパフォーマンスでも、もう1名でリカバリーができる
・1名が早期退職してしまったときのリカバリーができる
・複数の優秀な社員が入社すれば、それだけ新しいアイディアなどが出やすい
などが挙げられます。
前述のパチンコホール企業の話であれば、「優秀な店長経験者」を求めているわけですから、このような転職希望者を複数名採用すれば、リカバリー以上に、パチンコホールのリニューアルを成功させるための力になってくれること……つまり、大きなプラスの効果を期待できます。求人企業の即戦力になってくれるでしょう。
一方で、デメリットについてですが、
・人件費がかかる
ということが挙げられます。
2.バランスを考えた採用を
当然のことですが、1名採用するのと、2名採用するのでは、かかる費用は大きく変わってきます。それが、3名、4名と増えていけば、コストもどんどん大きくなっていくでしょう。
優れた人材をある程度の人数、採用するに越したことはありません。ただし、たくさん採用すればいいというわけではありません。「自分の会社でうまくマネジメントできるか」を考えてみてください。その転職希望者が持っているスキルを活かせる役職や場面はあるか、既にいる社員と仕事内容が被ってしまわないか、など、考えるべき点はたくさんあるでしょう。高い人件費ばかりを払っていて、宝の持ち腐れなんてことになってしまっては、求人企業、転職希望者、双方にとって何も得がありません。たくさん人数を採用すればするほど、それに見合った費用がかかるのは当然のこと。なので、採用人数を決める際は、予算と相談して決定する必要があるでしょう。
前述のパチンコホール企業は、無事にもう1名の店長経験者を採用することになりました。2名とも、高いレベルで仕事ができる店長経験者だったので、しっかりと店舗のリニューアルに貢献し、それ以降も安定して仕事をしてくれているとのことでした。
3.まとめ
転職希望者を同時期に採用することについて、基本的にデメリットはありません。ただし、採用人数が増えれば増えるほど、コストがかかってくることについては、改めて考える必要があります。また、メリットとしては、主に「他の採用者のリカバリーができる」「それぞれが優秀な場合は、店舗に与えるいい影響が何倍にもなる」ことです。
ただし、ただ単にたくさんの転職希望者を採用すればいいというわけではありません。コストがかかることはもちろんですが、「自社できちんとマネジメントができるかどうか」を考えていかなくてはいけません。
複数の転職希望者を採用することのメリットや、その時期に複数名採用すると、今後どのような効果を期待できるかなど、目標採用人数を決める段階で、求人企業にはきちんと考えてほしいと思います。その上でならば、「1名だけ採用する」「2名採用する」などの決断でも問題はないでしょう。(もちろん、「100名優秀な人材を採用する」などという無茶な決定をした場合は、一緒に考えていきます)
意外と忘れてしまいがちな部分ですが、採用をする上で大切なポイントです。みなさまもぜひ、目標採用人数の見直しを行ってみてはいかがでしょうか。