3度目!? 登場の「設定付き」パチンコ
転職雑記 2019/7/30
昨年(2018)8月に登場した「設定付きパチンコ」。市場に最初に登場したのはSANKYOの「Pフィーバー革命機ヴァルヴレイヴ」だ。以降「~設定付」というタイトルの機種が数多く登場し、「設定付きパチンコ」は比較的スムーズにファンにも受け入れられているようだ。
ところでこの設定付きパチンコ、現行では6段階の大当たり確率を搭載しており、「Pフィーバー革命機ヴァルヴレイヴ」を例にすると、
■Pフィーバー革命機ヴァルヴレイヴ
設定1:1/159.8
設定2:1/154.2
設定3:1/150.7
設定4:1/147.3
設定5:1/140.9
設定6:1/119.2
という内容である。
この6段階の大当たり確率を、ホールはどのように使っているのだろうか。恐らくはパチスロのように「設定」を使い回すのか、あるいは最低設定で「据え置き」なのか…。
すでに登場から1年近く経っているので、そのノウハウは現場に蓄積されているかもしれない。ただこれまでのパチンコと決定的に違うのは、後述するが、その使用感覚は「パチスロ」に近いのではないか、ということだ。
ちなみに、この設定付きパチンコは、今から27年前にも存在した事を知っている業界人は多いだろう。そう、あの「CR機」の事である。
1992年に登場したCR機は、いわゆるプリペイドカード(磁気カード)の導入に合わせて開発を進められた機械であり、3段階の設定が搭載されていた。
大ヒット機種、三洋の「CR大工の源さん」を例にすると、
■CR大工の源さん
設定1:1/369.5
設定2:1/405.5
設定3:1/438.5
という内容だった。
しかし、この設定、当時のホールではほとんど最低設定の設定3で据え置きのまま使用されていたようだ。なぜなら、パチンコの出玉調整はクギで行うのが常識だったからだ。
最高設定を使うとしても、年に数回の18時オープンなどのイベントで使うくらいだったはずだ。
そして四半世紀が経ち、再び設定付きパチンコが登場した。しかし、現「設定付き」とかつての「CR機」ではその使い方に根本的な違いがある。
CR機はあくまで「パチンコ」だが、「設定付き」はパチスロの臭いがする。そもそもクギが少なくなり、調整もできないのであれば、あとはデジタルとリールの違いしかない(技術介入云々は置くとして)。
さらに、である。
パチンコの6段階設定について、それが「パチンコ的」なのか「パチスロ的」なのかを議論すると、触れておかなければならない存在がある。「パチコン」の話だ。
パチコンとは、かつてユニバーサルグループから発売された機種の通称である。代表的な機種として、「GIGA」(瑞穂製作所=現 ミズホ)、「ジェネシス」(ユニバーサル=現 ユニバーサルエンターテインメント)、「CR乙姫4」(メーシー販売=現 メーシー)などがある。
1990年代にユニバーサルグループはパチンコに参入することになったが、同社は当時、日本遊技機工業組合(日工組)に加盟しておらず、日工組が管理するパチンコ機に関する特許を利用することが出来なかった。知っての通りパチンコは特許の塊。
この日工組に所属しなければ実質パチンコ機は作れないに等しい。この事実は現在でも変わらず、パチンコ機製造の高いハードルとなっているのはまた別の話。ユニバーサルあえてそれを逆手に取り、見た目はパチンコだが内部システムにパチスロを取り入れて生み出したのが、パチコンだったのである。
■GIGA
設定1:1/390
設定2:1/357
設定3:1/320
設定4:1/283
設定5:1/243
設定6:1/222
パチコンと当時のパチンコの最大の相違点は「設定」の存在。初期の機種では大当たり確率が、後期の機種では電チュー開放確率がそれぞれ6段階設定となっていた。ユニバーサルでは設定により「釘調整の必要がないパチンコ」を謳っていたが、結果的にパチコンは普及しなかった。
見た目はパチンコだが、内部的にパチスロに近いゲーム性を持ち、6段階の設定と釘調整不要という……まさに、今の「設定付き」を彷彿とさせるスペックではないだろうか。
3度目!?の登場となった設定付きパチンコ。そのうちパチンコとパチスロの区別さえ曖昧になってくるのかもしれない。