「文脈効果」 魔法の言葉で価値が上昇 |マーケティングに役立つ行動心理学
パチンコ店の仕事・スキル 2020/4/7
あるモノ(商品など)について紹介する時、そのモノの前後に効果的な言葉や文章を加えると、それを見ている人のイメージを変えたりアップさせることが出来ます。
これを「文脈効果」、英語で「Context effect」と言います。
1955年にアメリカの認知心理学者であるジェローム・シーモア・ブルーナーが発表した研究が始まりです。
もともと文脈効果は、言葉というよりそのモノの周辺状況を変化させることでイメージや印象、さらには行動が変わる効果を指すものでしたが、現在ではもともとの意味から幅が広がり、マーケティングでも使われるようになっています。
ホール店舗のマーケティングにも応用することが出来そうです。
それは、対象の周りを変えて演出して商品価値を上げる方法です。
言い換えれば、商品を単体で見せるのではなく、商品紹介の前後の言葉や周りの環境も含めてお客に見せるようにするのです。
■周辺環境を変える=演出する
一番分かりやすい例は料理です。
同じ料理でもプラスチック容器で出されるのと、大きな、あるいは高級な雰囲気の皿に盛られて出てくるのとでは、まったく印象が違ってきますね。
また食品店では、野菜をただ陳列するのではなく、泥が付いたままで置かれているのを見かけた事があるでしょう。これは産地直送の新鮮で自然な商品のイメージを生み出しているのです。
魚でも氷を敷くと市場直送の新鮮さを演出できますね。果汁入りジュースも写真のイメージに水滴の付いた果物やグラスがあると“しずる感”が出て鮮度を強調できるのです。
同じ商品でも「周辺の状況を変える=演出する」ことで、総合的な価値が変わるのです。
パチンコ業界で言えば料理は機種であり、盛り付けはサービス、そして店舗は容器や皿に例えることできます。
この中で容器や皿が冴えない、つまり暗く活気のない店舗が繁盛することは決してありません。でも、逆にお店に活気がありサービスレベルも高いと、機種ラインナップは同じでもお客は打ちたくなるのではないでしょうか。
■良いイメージと結びつける
一般的に「良いもの」「正確なもの」「綺麗なもの」など、人がイメージしやすい「定番イメージ」のモノありますが、これらと商品やサービスなど見せたいモノと結びつけると、やはりそのモノの価値を上げて見せることができます。
一般的なキャッチコピー
・ドイツ伝統の職人が作り出した○○○
・北海道の厳しい寒さと大自然が育てた泥付き○○○
・あの北大路魯山人も通った○○庵の十二代目主人が監修した○○○
・日本で一番厳しい文部科学省規格に合格した素材だけで作った○○○
・うるさい本場フランス人を黙らせたシェフが企画した○○○
これパチンコホールに応用すると……
・最大手メーカーが手掛ける弊社だけのPB機が登場!
・祝!新店長就任!!
・人気ライター達が絶賛する〇〇〇店の○○○
・人気ブランドのオリジナル景品をご用意
など、店舗イメージを上げ、何かを期待させる雰囲気を創りだすことが可能です。
ただし、「演出する」「良いイメージと結びつける」はいずれも、商品自体の価値には変化がないことに注意してください。
この文脈効果の手法はやり過ぎると、「誇大広告」と取られる場合があります。いくら周りを変えでも商品は変わりませんから、お客を欺く行為となる可能性もあるのです。