福利厚生のメリットとデメリット
パチンコ転職ポイント 2021/12/28
転職活動おいて、応募企業を選択する重要な条件の一つに「福利厚生の充実」があります。
福利厚生の充実は従業員にとって有益な面は多いですが、実はデメリットも存在しています。
応募企業の福利厚生をチェックする時には、メリットとデメリットの双方を正しく把握する必要があります。
今回は、従業員から見た福利厚生のメリットとデメリットについて考えます。
一般的に福利厚生の充実は企業、従業員双方にメリットがありwin-winの感覚がありますね。
企業にとっては人材の確保や従業員の生産性やモチベーションの向上、企業のイメージアップにつながり、従業員にとっては魅力的なサービスを享受できる環境が得られるなど良いことばかりです。
しかし、見えにくいところでデメリットもあり、その負担は企業だけでなく従業員にも影響を与えています。
1.メリット
①人材の確保
最大のメリットと言われるのが「人材の確保」です。
転職において、求職者のほとんどが福利厚生項目を確認するので、職務内容、労働条件とともに福利厚生の内容は企業選びを左右します。求人企業にとっても採用活動における大きなアドバンテージとなります。
②生産性の向上
福利厚生の充実によって、従業員は十分な休養や健康維持ができます。従業員の健康維持・増進は、企業にとって生産性の向上につながります。
③従業員満足度の向上
福利厚生の充実によってワーク・ライフ・バランスが向上すると、従業員の満足度は高まります。
仕事と生活の調和がとれるということは、業務の効率化が進むことにもなり、同時に従業員の定着率向上に貢献します。
④企業のイメージアップ
福利厚生が充実しているということは、安定した経営基盤の証明にもなるでしょう。
さらには、従業員重視の経営や人材の充実、仕事環境の良さなど社会へのアピール要素にもなり、企業の信頼性向上にもつながります。
⑤節税効果
福利厚生の充実にかかる費用は、条件はありますが非課税対象です。
福利厚生費として計上することができれば、法人税の節税効果があります。
多くのメリットが挙げられる福利厚生の充実ですが、その一方で目立ちませんが、実はデメリットも発生しています。
2.デメリット
①コストがかかる
最大のデメリットは、企業が負担する福利厚生費用です。
2019年度の福利厚生費調査結果(日本経済団体連合会)によると、2019年度の企業の福利厚生費は108,517円(従業員1人1ヶ月平均)でした。そのうち「法定福利厚生費」(健康保険・介護保険・厚生年金保険など)は84,392円で、福利厚生費全体の77.8%を占めています。
過去最高となった2018年度は88,188円でした。
その一方、企業が独自に設ける「法定外福利厚生費」(主なものでは住宅補助、慶弔関連、関連施設利用など)は年々減少傾向にあります。
過去20年の変化を見ると、1999年度には平均で28,425円、福利厚生費全体に占める割合は30.8%でしたが、2019年度では24,125円(構成割合22.2%)にまで減少しています。
福利厚生の充実には、当然ながら費用がかかります。
法で定められた法定福利厚生費はリーマンショック以降右肩上がりに増加(2019年除く)している一方で、法定外福利厚生費用は全体的に減少傾向が続いています。
しかし、法定外福利は企業の自由裁量で設定することができるので、企業によっては新しく制度を導入するごとに費用はかさんでいきます。
②福利厚生費用が給料を圧迫する場合も
多くの調査で求職者の約8割が気にしていると答える福利厚生ですが、「福利厚生より給料を増やしてほしい」と感じている人も少なくありません。
しかし、法定福利については、少子高齢化社会の影響を受け社会保険料は増加傾向にあります。
社会保険料負担の増大が給料にも大きな影響を与えるのは言うまでもありません。
③管理や運営の負担
福利厚生制度の管理は、一般的には人事、または総務が管理します。
福利厚生制度を利用する社員と契約団体や施設などをつないだり、社員毎にどの制度を利用しているのか把握する必要があります。
また、時代に合わせて内容を見直す場合もあるでしょう。
このように、通常の業務に加えて福利厚生の管理を行わなければならないので、それらの業務が担当従業員に新たな負担を与えることになります。
福利厚生を充実させた結果、担当部署の業務負担が増加してしまう可能性も大きいのです。
④従業員満足度が下がる場合も
福利厚生はサービスの選び方によって利用率が偏り、従業員の間で不平等感が生じる場合があります。
従業員個人のライフスタイル、嗜好は様々です。すべての従業員のニーズを満たす福利厚生の提供は難しいものとなります。
そのため、利用できる制度がないと従業員の不満が増大するというデメリットとなり、本来は従業員満足度を高めるはずの福利厚生が、制度の不公平感から企業に対する不満になる可能性があります。
3.まとめ
福利厚生の充実度合いは求職者の企業の選定基準になっていますが、その内容をしっかりとチェックする必要があります。
特に法定外福利厚生については、自分のライフスタイルや生活環境に合う内容が重要です。
自分に合わない福利厚生は利用できず、負担だけが降りかかってくることもありますから、メリットとデメリットを見極めた上で、企業選択のチェックポイントにするようにしてください。