パチンコ業界とゴルフ業界
パチンコのユルイ雑学 2022/4/28
日本には現在、2216のゴルフ場があります。年間の利用者数は延べ約8000万人強、「一般社団法人日本ゴルフ場経営者協会」調べでは、ゴルフ場利用税額は約400億円となっています。
そうした中、最も多くのゴルフ場を保有しているのは「パシフィックゴルフマネージメント」(PGM)で、全国に145コースを保有していますが、運営会社はパチンコ・パチスロメーカー「平和」の子会社です。
昔からパチンコとゴルフ業界の関係は深く、パチンコメーカーの他にもパチンコホール企業でもゴルフ場を保有している、あるいは関連企業をグループに持っているところは多くあります。
ゴルフ業界もパチンコ業界と同様、最盛期は1990年代で、年間利用者延べ1億人超、利用税額も約1000億を超える時代がありましたが、その後低迷を続けています。
しかし、現在のコロナ禍にあっては、“密”を避けることが出来るレジャーとして人気が復活しつつあるようですね。
ところで、どうしてパチンコ業界の会社がゴルフ場を保有しているのでしょうか?
ご存知のように、パチンコ業界は最盛期から10兆円も市場規模が落ち込み、シュリンクし続けています。
そうした中でメーカーやホール企業は柱となる別の事業を模索し、総合レジャーの一環としてゴルフは親和性があると捉えられ、ゴルフ関連事業が選択肢の一つになっているのかもしれません。
例えばセガサミーグループは、「ザ・ノースカントリーゴルフクラブ」(北海道)を所有しています。同コースは2003年に民事再生法の適用を申請しましたが、セガサミーは再建スポンサーとしてゴルフ場業界に参入したのです。
さらに同社は2012年には米国の投資会社が所有していたフェニックスカントリークラブ(宮崎県)を含むフェニックス・シーガイア・リゾートを完全子会社化し話題を集めました。
また、やはり大手メーカーのSANKYOでは、関連会社に古くからゴルフ場や練習場が名を連ねており、セガサミーと同様、冠スポンサーのプロトーナメントを開催するなど、関係性は大変深いものがあります。
さらに、パチンコホール企業でもゴルフ場や関連事業を行っているところがあります。
ホール企業の最大手「マルハン」は、18コースを持つ太平洋クラブを保有。
また、大阪の「延田エンタープライズ」は「123」の店舗名でパチンコ店約70店舗を展開していますが、女子ツアーの「マスターズGCレディース」の開催コースである「マスターズゴルフ倶楽部」(兵庫県)は同社の自社開発コースです。
この他にもゴルフ場を保有するパチンコホール企業は意外に多くあります。
ゴルフ場以外にも、大手の「ダイナム」はグループ企業で「X-GOLF 倶楽部」というシミュレーションゴルフ施設を運営しています。
また、打ちっぱなしの「ゴルフ練習場」を運営しているホール企業もありますね。
さらに、ゴルフコースや関連施設以外にも、コース設計やゴルフ場経営等のコンサルタント事業を行うパチンコ業界関連企業もあります。
パチンコとゴルフはまったく異なる分野のように見えますが、集客見込みの高い物件を見極め押さえるエリアマーケティング要素や開拓、高単価サービスの運用ノウハウなど、装置産業であるパチンコと通ずる部分で成功イメージが描きやすいのかもしれません。
「パチンコ」に対して良くない印象を多少なりとも持っている知人はいますが、ゴルフ場を選択する際に「運営企業」を重視しているということは個人的には聞いたことがありません。
「ゴルフ」を含め事業の多様化を行うパチンコ企業は増えつつありますが、様々な形で個社のファンが増えることで、今時代のパチンコを認識してもらうきっかけに繋がっていくかもしれないですね。