転職Q&A

法律関係

給与 / 転職活動中 / 面接・選考 / 内定・入社 / 退職前後 / 税金・保険関係 など

Q
内定辞退は法的に問題ですか?
A
中途採用の場合、余剰人員は確保していないことが多く、辞退者がでると改めて募集をおこなわなければいけない結果になります。基本的には、内定そのものに拘束力はありませんので、辞退することで法的措置が取られるということは一般的にはありませんが、ケースバイケースで様々な事態が起こっていることも事実です。

企業側から見れば、内定を通知した段階で労働契約は成立しており、内定通知以降は合理的な理由がない限り簡単に取り消しはできないことになります。では、労働者も内定通知以降は取り消しができないのかというとそうではありません。労働者側からみた内定辞退は法的にいえば労働契約の解除であり、企業側は例えどんなに強力な誓約書を用意したとしても、1人の人間を強制的に1つの企業に縛りつけることは不可能だということです。

だからと言って、沢山内定をもらい、よく吟味した上で「入社しない企業への辞退返答をぎりぎりに伝えても問題ないか」というと、そうでもありません。内定は労働契約である以上、解除はできますが、解除をすれば契約不履行ということにもなります。企業側に損害が生じていれば法的には企業が損害賠償を請求することは可能です。もちろん損害賠償を請求するにあたってはその損害額や、内定辞退と損害との因果関係などについて会社が立証する必要がありますし、損害といっても既に手配した研修費用であるとか、実際に使用した資料、設備等に係る費用であるとか、そこまで金額的に大きなものとは考えられません。

優秀な方であれば同時並行で数社にわたり選考を重ね、いくつも内定を得てから入社先を選ぶということは百も承知なわけですから、基本的には、筋を通せば法的措置などは考えないでしょう。やはり、内定辞退する場合は道義的な面からも最大限誠意をもって対応すべきだという、法律の話をしていても「内定辞退」については、結局はマナーの方が大事だという結論に至ります。