メリット? デメリット? 多店舗運営企業の労働環境と実情
転職雑記 2016/9/1
あなたの会社は、ホールを何店舗運営しているでしょうか? 日本のパチンコホール運営企業を、5店舗以下のホール運営企業と6店舗以上のホール運営企業とに分けると、面白いことに、その数は半々になると言われています。
これまで多くの企業様とお会いしてきましたが、運営ホールが5店舗以下なのか6店舗以上なのかという点は、いろいろな面において違いが出てくるひとつのポイントでした。6店舗以上ともなると、全体を統括するために会社運営をある程度マニュアル化して運用する必要が出てくるのです。 6店舗以上のホールを運営している企業を多店舗運営企業と定義し、今回は、多店舗運営を行う企業の労働環境について説明していきたいと思います。
1.多店舗運営企業の強み
多店舗運営企業では、コンプライアンスや労働環境をより深刻に考え、対応している傾向があります。多数の店舗を運営し、多くの人材を束ねることになればなるほど、組織はマニュアル化していくことになります。たとえ個人の小さな問題であっても、その会社で働いている大勢の人員に影響を与えかねないからです。
多店舗で成功を収めるためには、「人」を欠かすことはできません。ですから、多店舗運営企業では労働環境面を重視して、しっかりと整備しているのです。 例えば、労働時間です。多店舗運営企業の場合、個人のシフトをしっかりと定めていることが多く、早番と遅番の交代制できっちりと分かれています。とある多店舗運営企業では、朝の8時に出勤し、17時過ぎには退勤するといった公務員のような生活を送っている社員もいるそうです。
また、休日についてですが、多店舗運営企業ではシフトをきちんと組み、休日を全員が取れるようにしています。またとあるお店では、休日を計画的に取り、長期休暇で海外旅行にいく役職者もいるそうです。 シフトが定まっており、休日が上手く取れる環境ならば、社員は比較的働きやすくなると言えるでしょう。
2.多店舗運営企業の弱み
多店舗運営企業では分業制が徹底されているため、スタッフひとりひとりが経営者視点でホール運営を見なくなるということが考えられます。標準化された運営・制度はなかなか変わらないので、何か新しい考えがあっても上層部に通らず、「言われたことをやっていればいい」という考えが根付きやすいと環境とも言えるかもしれません。
多店舗運営企業では店長が担当する業務も、少数運営店舗企業では主任が担当している場合が多くあります。その分、単店舗・少数店舗企業ではさまざまな業務に携わるチャンスが多くありますが、多店舗企業ではどうしてもそのような機会が少なくなってしまう可能性もあります。新しい業務を任されるチャンスやスキルアップができる場面が比較的少ないということは、多店舗運営企業の弱みと言えるかもしれません。
また、店舗が増えるにつれて社長や会社の意図や想いが伝わりにくくなっていきます。自ら積極的に考えていかなくては、社長の顔が見えず、意図も掴めず、大勢の中のただの一人として働くことになるかもしれません。
3.まとめ
多店舗運営企業では、スタッフひとりひとりが働きやすいようなコンプライアンスや福利厚生などについてよく考えられている傾向があります。多くの人が働いているので、それだけ環境を整備する必要性が出てくるのです。そのため、仕事のリズムが取りやすく、上手く休日を取ることでリフレッシュもしやすくなるでしょう。 しかし、そのマニュアル化した運営体制のため、少し窮屈に感じることがあるかもしれません。
また、幅広い業務に携わることよりも、振り分けられた業務に集中して取り組むことが求められるはずです。さまざまな業務を担いたい人や新しいスキルを身につけたい人にとっては、デメリットとも言えるかもしれません。
多店舗運営企業、少数店舗運営企業、どちらにも長所、短所がありますから、どちらが良いと一概に言うことはできません。個人によって合う・合わないがあると考えて良いでしょう。キャリアアップを目指す際は、職場の働きやすさと仕事のやりがいのどちらを自分が大切にしているかを今一度考える必要があります。ご自身の置かれている環境を見直し、どのようにしていくべきかを考えるようにしましょう。