よく考えて述べよう!「退職理由」と「転職理由」
パチンコ面接ポイント 2016/11/29
パチンコ業界で中途採用のサポートをしていると、採用試験の合否などについて、求人企業側の人にお伺いする機会があります。その中で、不合格となった理由としてよく挙げられるのが「退職理由」と「転職理由」なのです。
求人企業側は転職希望者のことをよく知るために、面接では様々な質問をしますが、どんな企業でも「退職理由」と「転職理由」は必ず聞く項目だと言っていいでしょう。
では、その二つの質問に対してどのような答え方をすると良い印象を与えられるのか、逆にどのような答え方をすると採用が遠のいてしまうのかを考えてみたいと思います。
1.「退職理由」「転職理由」を聞くのはなぜ?
求人企業の人事担当者が面接で「退職理由は何ですか?」「転職理由は何ですか?」と聞く時、その裏にはどのような意図があるのかを考えたことはありますか?質問の意図を読み取り、的確に答えなければ、転職への本気度や自己分析能力に疑問符がつけられてしまうかもしれません。
本来、「退職理由=転職理由」と言うこともできますが、実際には別物と考えて質問をする企業がほとんどなのです。ただ形式的に「退職理由を聞こう」「転職理由を確認しよう」と質問をぶつける企業はありません。
パチンコ業界に限らず、求人企業が転職希望者に対してこの二つの質問をする意図は「現在抱えている不満や問題を転職によってどのように解決したいのか」を確認するためなのです。それをしっかり理解していれば、退職理由や転職理由において愚痴や不満といったネガティブなことを述べるような姿勢はなくなるはず。
逆に言えば、退職理由が待遇への不満だったり、転職理由が現状からの逃避だったりするなど、未来を見据えたものが感じられなければ不採用になってしまうのです。
2.愚痴や不満はご法度
かつて、転職を希望していたパチンコホール店長のAさんをパチンコ業界の某企業に紹介したのですが、結果は不採用。その理由を聞いてみると、転職理由が原因でした。面接時、Aさんは転職理由について次のように答えたそうです。
「能力的には私と変わらない別の店長が上司から可愛がられており、自分は正しく評価されていません。だから転職したいのです」と。そこで人事担当者が「では、正しく評価されるために、どのようなことをしましたか?」と聞くと、「上司の評価は簡単に変わるとは思えないので特に何もしていません」と答えたのです。
実際にAさんが上司や会社から正しく評価されていなかった可能性はありますが、だからといって、不平不満を口にするだけで何の努力もしていない姿勢はマイナスの印象しか与えません。Aさんは自分の能力や資質に自信があり、「環境さえ整えばもっと活躍できる」という思いを抱いていたのでしょう。しかし残念ながら、転職理由についての答え方としてはマイナスに受け取られてしまったのです。
Aさんのような退職理由を話す人に対しては、「転職を果たしても、ちょっとした不満が募ったらすぐに辞めてしまうのでは?」と求人企業側が不安に思うのは当然のことです。Aさんほど不平不満をはっきりとは口にしなかったとしても、ふとした瞬間に前職に対するネガティブな発言をすると、「もしかしたら難しい人なのかな」という印象を与えかねないので注意しましょう。
3.未来志向で語る
面接で良い印象を与えるための基本的考え方は「過去よりも未来」。Aさんも、転職理由について「自分が目指している○○を実現するため、新たなパチンコホール企業への転職を希望しました」と答えていれば、印象はかなり違っていたはずです。
また、「御社において○○が実現できると考える理由は○○であり、そのために私は○○という努力を積み重ねていきます」といった点にまで踏み込めれば、人事担当者は活き活きと働く未来のAさんの姿を思い浮かべることができたでしょう。
このように、退職理由や転職理由を答えるということは、自分自身と向き合い、未来の自分の姿を描き出すことだと言っても過言ではありません。「自己分析」と「企業分析」がしっかりとできて、その上で導き出した答えは面接で必ず相手の心に響くことになるのです。
4.まとめ
退職理由と転職理由については、テンプレート的な答えを用意して面接に臨む人も多くいます。しかし、この二つに対する答えこそが、人事担当者が特に注視している部分であり、他の転職希望者と差がつくポイントだと言ってもいいでしょう。
面接で自分を大きく見せるために嘘をつくのは問題ですが、何事もストレートに話せばいいというわけでもありません。言葉をしっかり選び、話を組み立てる「ひと手間」を加えるだけで、採用の可能性は大きく高まるのです。