パチンコ業界以外に飛び込むことは容易ではない
転職雑記 2017/10/31
転職のお手伝いをしていると、「実はパチンコ業界以外への転職を考えているのですが……」という相談を受けることがあります。先日、お会いした転職希望の主任も「パチンコ業界で転職活動もしていますが、パチンコ業界以外での転職活動をメインに動いています」と話していました。
以前からこのような相談はありましたが、最近特に、「パチンコ業界以外での転職を考えている」という転職希望者の話を聞くことが多くなりました。今パチンコ業界で働いていて、転職活動を考えている人の多くが、パチンコ業界以外への転職も検討しているように思います。
1.パチンコ業界の将来への不安
他業種への転職を検討している理由として最も多いのは、「パチンコ業界の将来が不安」というものです。確かに、パチンコ業界の市場規模は縮小し、遊技人口も年々減少しているといわれています。パチンコ業界が一番盛り上がっていた時のことを知っていると尚更、パチンコ業界全体の勢いが落ちてしまい、このままいくとどうなるか分からない……と不安になってしまうこともあるかもしれません。
そのため、「比較的若い今のうちに、パチンコ業界から離れて他の業界で再出発しよう」と考えを持っている転職希望者が多いのです。そのような転職希望者は、「パチンコ業界を離れてコレをやりたい」と明確な目標があるわけではなく、パチンコ業界に対する漠然とした不安から、他業界への転職を考えています。
しかし、そのような動機でパチンコ業界以外への転職をしても、1、2年後には、今よりも厳しい現実と直面する可能性があります。
2.「パチンコ業界に戻りたい」
私の体感ですが、2009年から2012年にかけて、かなりの人がパチンコ業界に明るい未来を見いだせずに、不動産や飲食、自営業など、さまざまな業界へ転職していったように思います。2009年頃に、急激なパチンコ業界の遊技人口の減少があり、パチンコ業界や取り巻く環境が大きく変わりました。そのことに対して不安を感じて、他業界への転職を決意した人は、私が転職をお手伝いしていた人の中にもたくさんいました。性格な数字を出したわけではないですが、当時私が担当していた転職希望者のうち、約30〜40%は他の業界へ転職していきました。
結果論ですが、その当時、他業界へ転職した人の大半が、パチンコ業界へ戻ってきて、仕事をしています。理由はさまざまですが、「より厳しい現実(収入面や仕事内容)を見せつけられた」「明確にやりたいことではなくて、モチベーションが保てなかった」などです。他業界で「向いていない」と思って、パチンコ業界に戻ってきてすぐに復帰できるのならば何も問題はないでしょう。むしろ、他業界のことが知れて、視野が広がったかもしれません。
しかし、実際は、パチンコ業界内外の大きな変化もあって、ブランクがなかなか埋められないことが多くありました。また、ブランクを経てのパチンコ業界への転職なので、うまく転職活動が進まないこともありました。
3.大変なのはパチンコ業界だけではない
今回、私が伝えたかったことは、「パチンコ業界から、他業界に転職をすると失敗する」ということではありません。パチンコ業界から、他業界に転職をして成功する人もたくさんいます。明確なビジョンや想いがあれば、パチンコ業界であっても、他の業界であっても、成功をつかみとることができるでしょう。
しかし、漠然とした思いや、安易な考え方、「逃げ」のような姿勢で他業界に転職すると、今より厳しい状況になることがあります。業界や業種を変えれば、働き方や給与面などが今とまったく一緒ということはほとんどありません。生活スタイルや環境に変化が起こることを理解した上で行動してほしいと感じます。
4.まとめ
厳しいと言われる業界は、パチンコ業界だけではありません。なので、「パチンコ業界が大変だから」「今よりも安心したいから」という理由で他業界に転職すると、思わぬ壁にぶつかることもあります。
パチンコ業界で働くにしても、他業界で働くにしても、「やりたいこと」「目的」を持って取り組まなくては、大変だと感じたり辛いと感じることの多い状態になってしまいます。目先のことに囚われず、しっかりと考えて行動することでより良い未来を掴み取ってほしいと思います。