様々な還元率から見えてくるもの
パチンコのユルイ雑学 2020/9/15
パチンコ、パチスロは法律では「遊技」というくくりで、あくまで「娯楽・アミューズメント」という定義で成り立っています。それゆえ刑法185条の「賭博罪」に該当しないという論理です。でもその立ち場は微妙なもので、少しでも現状から逸脱する行為があればたちまち脱法行為と見られてしまいます。
そして、日本では「公営ギャンブル(正式には公営競技)」という存在もあります。
ご存知の方も多いと思いますが、競馬、競輪、競艇、オートレースのことです。特殊法人である中央競馬会を除くと、いずれも地方公共団体、あるいは一部事務組合が主催していますが、「法律上に定められた“博打”」であり、一般的なイメージは決して良いものではありませんでした。
しかし、スター騎手(選手)や人気馬の登場、タレントを起用したCMやTV番組などによりイメージはだいぶ変わり、ライトな感覚で楽しむ人が少しずつ増えたと思います。また、パチンコやパチスロもアニメ版権が主流となり、遊技機そのものの見た目や印象も一昔前とはだいぶ変わりました。
とはいえ、どんなに上辺の雰囲気が変わっても、その本質に変化はありません。それは、「勝つか・負けるか」を楽しむ行為ということです。
パチンコ・パチスロは娯楽、アミューズメントという定義ですが、ギャンブル的要素はやはり否定できません。
いずれも遊び方や楽しみ方は人それぞれですが、「身を滅ぼさないため」には「身の丈に合った投資」が出来るかどうかです。そして、そのためにはそれぞれの還元率を理解しておく必要があります。
どの競技・ゲームも賭けた金額に対して戻ってくる「還元率」があり、以下が大体の数値です。
・パチンコ、パチスロ 還元率約85%(控除率約15%)
・公営競技(競馬、競艇、競輪、オートレース) 還元率約75%(控除率約25%)
・スポーツくじ 還元率約50%(控除率約50%)
・宝くじ 還元率約46%(控除率約54%)
総じて言えるのは・・・客側が負けるようになっている
要は運営側(胴元)が勝つ仕組み、ということです。まぁ、慈善事業ではないですからね。運営側が負ける仕組みであれば、そもそも事業、サービスが成り立ちませんので。
わかりやすく、宝くじを例にしますが、買えども買えども還元率分の払い戻しを実感したことがありません。それもそのはずで還元率とは「全体売上総額に対する払い戻し金の割合」ですからね。「当選率」とは異なるわけで、個々に落とし込めば当然大きな差が出ます。
ハロウィンジャンボ宝くじを例に計算してみると、1等~6等すべて含めた当選確率は約11.2%ですが、内訳的には6等が10%、1等~5等を含めた当選確率は約1.2%という数値になっています。
こうやって見ると、当選したところで6等(300円)がほとんど、ということが改めて良くわかりますよね。プラス域になる人がほぼいないということも容易に想像できると思います。
ちなみに1等に当選する確率は・・・。
1ユニット1000万枚×11ユニット=1億1千万枚の宝くじ
1等は11本だから確率は「0.00001%」、要は「1000万分の一」という途方もない数字。
買えば買うほど割に合わなくなる・・・。
ただ、当たればデカいという期待感は他のものと比べようがないでしょう。よくいえば「夢」を買っており、我が家では「夢購入費」として、20枚~30枚程度で毎年楽しんでいます。還元率は一番低いですが、逆にいえば「負けても割り切りやすい」といえますね。
その他のギャンブル、公営競技やパチンコ、パチスロは宝くじと比べれば還元率がだいぶ良く感じられますが、運営側が勝つ仕組みであるという点はなんら変わりません。
尚、パチンコ、パチスロにおいては公営競技や宝くじとは異なり、運営側(各店舗)の匙加減により還元率が大きく変わってきます。
ここでいう匙加減とは、粗利率といって差し支えないでしょう。パチンコ、パチスロの還元率は運営側の体力(母体企業の資本力)や経営方針に大きく左右されます。
改めていいますが、パチンコ、パチスロの還元率約85%とは個人が10,000円使って8,500円返ってくることではなく、あくまでも売上総額から「総客に払い戻される金額」のこと。個人に落とし込めば10万円使って1円も戻ってこない人は当然います。
厳密にいえば運営側の粗利率が「結果的」に25%であれば還元されるのは75%であり、日によって変わります。そして「結果的」にというところがミソで、実は運営側も完全にはコントロールしきれないのです。粗利率15%のシミュレーションで運営しても来店客数や遊技機毎の稼働率、各台の機械割状況によってプラスにもマイナスにもブレることはあります。
パチンコやパチスロの確率や仕組みはここでは割愛しますが、闇雲に試行回数を増やせば増やすほど、基本的には負ける可能性が高まります。
「どの店舗で遊技するか」は個人としての回収率を高めるうえで重要項目となりますが、中長期的にプラス域にすることは非常に困難で、習得すべき知識やノウハウは多く、その立ち回りは苦行の域です。
いずれにしても、上記のことを理解し、無理のない金額感で遊んでほしいな、と個人的には思います。