「緑視率」の効果
パチンコ店の仕事・スキル 2021/3/23
企業のオフィスや応接室などに観葉植物の鉢が置かれているのは昔からよくある光景です。
植物の緑色には空気清浄効果があり、人間に好ましい影響をもたらすと言われていますが、特に最近はオフィス環境の向上のために、グリーン(観葉植物)をより積極的に活用する企業が増えてきています。
そこで注目されているのがオフィスの快適さを保つのに重要な「緑視率」という指標です。
1.緑視率とは
緑視率とは、人の視界に占める緑の割合を測る指標で、緑の多さを表します。
大阪府が公開している平成25年の「緑視率調査ガイドライン」では、「緑視率=(緑の面積)÷(撮影範囲)」 という算出方法が用いられています。
緑視率は、疲労感の軽減や快適性の向上を示すと言われ、国土交通省が平成17年に発表した緑視率についての調査では、緑視率が25%以上確保されていると「緑視率が高い場所ほど安らぎを感じる人が多い」という結果がまとめられています。
また、豊橋技術科学大学の研究結果(松本教授。研究期間2014~16)では、緑視率の向上とストレスの軽減度が比例するという事実が明らかになっています。
以上のように、緑視率の向上にはさまざまなメリットがあるということが数々の調査や研究によって実証されています。
なお、「緑被率」という概念もありますが、こちらはある地域における緑地面積の占める割合のことで、緑視率とはまったく別の概念のようです。
2.グリーンオフィスとは
近年では緑視率を利用した「グリーンオフィス」が注目されています。これは、今までの観葉植物の鉢植えをただ並べるだけではなく、さらに進んでオフィスの「緑化」を行う概念です。
オフィスに疑似的な自然環境を作り出すために壁や天井、床、頭などのスペースを利用して植物を配置します。これによってオフィスの「緑視率」を高めていくようです。
また、精巧なフェイクグリーン(人口観葉植物)を活用したグリーンオフィスづくりもあります。
フェイクグリーンの利点は水気を嫌う場所や、壁面など手入れの難しいスペースにも取り入れることができる事です。
本物の植物より安価な場合が多く、手入れにかかる手間も少ないことから、コストとの折り合いがつけやすいのも魅力のひとつといえそうです。
3.グリーンオフィスに期待できる効果とは
グリーンオフィスを導入することで期待できる効果とはどのようなものなのでしょうか。
千葉大学の実験では、仕事への意欲の向上や疲労、ストレスが軽減されることも確認されています。
また、生花がもたらす効果を調べた別の実験では、花のある部屋では「疲労」「緊張・不安」「抑うつ」「怒り・敵意」が低下するという結果が得られていました。
・交感神経(ストレス神経)の活動が抑制されストレスが緩和
・副交感神経(リラックス神経)が活発化され気分が落ち着く
・植物が視野に入ることで脳内のα波が増幅される
ざっくりいえば、「癒し効果」「リラックス効果」が期待できるということでしょう。
4.その他、多くの効果が期待できる
①空気環境の快適性向上
室内の湿度が適度に高められ、エアコンの乾燥からのどや肌を守る効果も期待できるようです。
②視覚疲労の軽減
緑を間近に眺めることで視覚疲労軽減効果のあることが立証されています。ただし、フェイクグリーンではこの効果は認められていないようです。
③企業イメージ向上
植物が配置されたオフィスは空気の常態も良くなります。殺風景で無機質なオフィスに比べ、視覚的にも快適な印象を与えることができるはずです。
5.パチンコホールの「グリーンスペース化」は?
パチンコホールフロア内はあまりみかけません。電気製品ですから島を緑化することは厳しいと言わざるをえません。また壁や通路は一定の緑化はできそうですが防犯面や消防法の兼ね合いもあり、こちらもハードルは高そうです。
フロア間の通路は、災害時等の避難経路を確保しつつ緑化することは可能そうですね。
緑化ではないですが巨大水槽を設置したホール例もありますので、休憩室、景品フロアなどを緑化することは現実的に出来そうです。
緑視率を高めるため植物を多く配置すればストレス軽減や空気清浄などリラックススペースとして大いに活用できるし話題にもなるかもしれないですね。