転職の際に必要な退職手続きのポイント
パチンコ転職ポイント 2021/6/10
転職を決めた時、必ず提出する書類に「退職願(届)」があります。
転職活動では履歴書・職務経歴書の作成や面接対策などに気を取られがちですが、現職での手続きも重要です。特に退職の手続きは知っているようで実は把握していない場合も多く見られます。
ここでしっかり退職手続きのポイントを確認しておきましょう。
1.就業規則を確認する
退職願・退職届を書く前に、まずやらなければならないことがあります。それは在籍している会社の就業規則の確認です。
基本的に就業規則には会社の退職の手続きに関する項目があり、「退職希望日の〇カ月前までに、退職願を直属の上司を経由して会社に提出する」などと書かれています。
就業規則に期日が明示されているにもかかわらず、何の前触れもなく上司に対して退職願を提出してしまうと、受理されずに退職交渉が難航する原因になります。上司や会社に対して退職を申し出る前に、就業規則を必ず確認してください。
2.正しい「退職願(届)」の提出
会社、職場を辞める時に提出する書類は、「退職願」「退職届」「辞表」が挙げられ、提出するタイミングや、状況に応じて使い分ける必要があります。
▼退職願……会社へ退職を打診する書類
退職願は、退職(労働契約の解除)を会社に願い出るための書類のことです。
書面は必ずしも必要ではなく口頭で伝えても構いません。
しかし、書面の退職願を直属の上司に提出することで退職の意思が固いことを示すとともに、会社に退職(労働契約の解除)の申し入れをした根拠にすることができます。
次の転職先が決まっているなど退職交渉の時間を短くしたい場合には提出する事をおすすめします。
▼退職届……退職が認められた後に届け出る書類
退職届は、退職することが確定したのち、退職を会社に対して届け出るための書類のことです。
会社規定の退職届がある場合や、上司ではなく人事部宛てに出す場合など、会社ごとに書類や提出先が異なる事もあるので、就業規則等を確認しましょう。
▼辞表……経営層や公務員が職を辞める時に届け出る書類
辞表とは、社長や取締役など雇用関係のない立場の人が、務めている役職を辞めることを届け出るための書類のことです。
公務員が辞めることを届け出る場合も辞表を提出します。(退職届と同じ扱いになります)
会社員など雇用されている人の場合は、辞表の提出は必要ありません。
一般的に「退職願は、退職希望日の1〜2カ月前までに直属の上司に渡す」と言われています。
しかし、会社にはそれぞれ決まり事がありますので、会社とトラブルを起こさないためにも、必ず在籍する会社の「就業規則」を確認してそれに沿って行いましょう。
会社の決まり準じて進めていくことが円満退職への近道です。
3.退職届等は撤回できるか?
退職願、退職届、辞表を提出したあとに、事情が変わって現職に留まりたい場合はどうすれば良いか?
結論から先にお伝えすると、残念ながら、これらは一旦提出された場合、原則撤回できません。
唯一撤回が可能なケースは、「退職願」を上司に提出後、人事責任者の承認を得る前です。しかし、退職の意思を会社に示した後ですから、その後の人事で不利益を被る可能性がありますので、一度会社に退職を申し入れたあとで、撤回することはできる限り避けるべきでしょう。
「退職届」と書けば撤回できず「退職願」と書けば必ず撤回できると解釈するのは早計で、裁判の判例でもケースにより判断が分かれています。
4.気持ちの迷いがあれば相談を
もし退職するかどうかを迷っているのであれば、退職願を書くのを一度やめて、直属の上司や(直属の上司への相談が難しい場合は)別の上司に「相談」してみましょう。
また、家族や友人、転職アドバイザーなどに客観的な意見をもらうことも有効です。
5.退職願を上司に受け取ってもらえない時
直属の上司が退職交渉に応じず、退職願も受け取ってもらえない場合は、直属の上司のさらに上の上司に対して、「直属の上司に退職を申し出たが取り合ってもらえない」ことを相談しましょう。
それでも難しい場合は、所属する部署の部門長まで「直属の上司およびその上位の上司に退職を申し出たが取り合ってもらえない」と相談します。
部門長に相談をしても取り合ってもらえない場合は、人事部に相談するようにしましょう。
仕事の進め方と同様に、決裁をする順番に沿って話を進めるようにすることがポイントです。
類似のケースとして、「直属の上司との関係の悪化が原因で退職をするために、初めから直属の上司を飛ばして、その上位組織の上司に退職願を提出し退職交渉をしたい」という場合があります。
しかし直属の上司を飛ばしてさらに上長に相談するのは、会社員としてのマナー違反に当たり、退職交渉が難航する原因となってしまうので極力避けるべきでしょう。
6.会社都合でも退職届は必要か?
退職届は、会社に退職すること(労働契約の解除)を届け出るための書類ですから、退職理由が自己都合・会社都合いずれの場合も提出することを就業規則で定めているケースはあります。
会社都合で退職をする人が退職届を提出するときに気をつけることは、退職理由の記載の仕方です。
「一身上の都合」と書くと、会社都合退職にも関わらず自己都合退職として処理され、退職後に受給する失業保険の金額や期間などが変わる場合がありますので注意が必要です。
会社都合退職の場合は、「事業所閉鎖のため」「事業部門縮小のため」「早期退職のため」など会社と合意した具体的な退職理由を書くようにしましょう。なお、会社都合退職の場合、退職願を提出する必要はありません。
退職手続きは、次なるステージの扉を開ける重要な通過点。
円満、スムーズに新天地へとシフトするために、スマートな退職手続きを実現してください。