パラレルキャリアとは何か
転職雑記 2023/11/28
近年、転職情報などで目にすることが多くなった言葉に「パラレルキャリア」があります。
本業とは別のキャリアを築くパラレルキャリアは、新しいワークスタイルの確立方法として注目を集め始めています。
今回は、働く人の新概念「パラレルキャリア」について、注目される理由や似ている「副業」との違い、メリット、注意点などについて確認したいと思います。
1.「第二の活動」という考え方
「パラレルキャリア」とは、経営学者ピーター・ドラッカーの著書『明日を支配するもの』で提唱された概念で、「本業を持ちながら、第二の活動をすること」というものです。
ピーター・ドラッカーはアメリカやアジアで大人気の経営学者であり、2010年にミリオンセラーとなった『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』(通称「もしドラ」:ダイヤモンド社)で一般的にも知られるようになりました。
2.注目される理由
近年、日本では終身雇用や年功序列といった従来型の雇用がなくなりつつあることを背景に政府は「働き方改革」を進めています。
そうした中で転職の一般化やコロナ禍でのライフスタイルの変化、リモートワークの導入、副業の奨励など多様な働き方が認識されるようになり、その一つとして「パラレルキャリア」にも注目が集まっています。
3.パラレルキャリアと副業の違い
パラレルキャリアとよく間違えらえるのが「副業」です。
確かに内容が「副業」と似ているため勘違いされがちですが、副業は本業以外の仕事で収入を得ることであるのに対し、「パラレルキャリア」は必ずしも収入が目的ではない場合も多く含まれている点が副業と大きく違うところです。
ただし、ドラッカーが提唱した「第二の活動」について明確な定義はなく、ボランティアなど収入を目的としないさまざまな場所での活動に加え、別の企業での活動や自営業も含んでおり、「パラレルキャリア=広い意味での副業」という捉え方も間違いではありません。
4.パラレルキャリアで得られるメリット
では「パラレルキャリア」という「第二の活動」によってどんなメリットが得られるのでしょうか。
主なメリットとして以下のようなものが挙げられます。
①新しい仕事のチャンス
コロナ禍以降、仕事のやり方やライフスタイルが激変しており、現在の仕事がいつまで成り立つのか先の見えない時代になっています。
もし仕事を失うようなことがあっても、パラレルキャリア活動をしていれば、新しい仕事のチャンスが生まれる可能性も広がるでしょう。
②やりたいことが出来る
第二の活動として、自身が思い描いている「やりたい事」にも向き合うことができます。
それはライフステージやモチベーションを高めることにつながるだけでなく、失業などのリスクヘッジにも対応できるかもしれません。
③新たな経験が得られる
本業では得られない経験を得ることで、今の仕事以上に自分に合っている仕事を見つけるきっかけになったり、趣味や夢を仕事につなげられたりするチャンスが期待できます。
④人脈が広がる
パラレルキャリアでは様々な環境で活動に取り組むことができるため、新たな人脈の構築にも大いに役立ちます。
新しいビジネスチャンスが生み出されるかもしれません。
⑤視野が広がる
パラレルキャリアでは新たな環境で自身の視野も自然と広がっていくでしょう。
意識が変わり柔軟な発想力を養うことにもなります。
⑥社会貢献
パラレルキャリアは、ボランティア活動のような社会貢献にも取り組むことも含んでいます。
5.パラレルキャリア活動の注意点
パラレルキャリアをスタートするにあたって、注意すべきことを確認しておきましょう。
本業に支障が出たり、ストレスになったりしないよう行うことが大切です。
■本業に影響がないようにする
■はじめから報酬をあてにしない
■勤め先でのパラレルキャリや副業の扱いを確認する
同時並行で複数の事に取り組むには、時間や金銭面でのマネジメントがポイントです。
パラレルキャリアで何らかの負担が生まれるのは本末転倒ですから、それぞれの活動はポイントを踏まえた計画性が必要となります。
また、趣味やボランティアなど収入を目的としない活動もパラレルキャリアの一つですので、そうした活動を許容する気持ちも重要です。
さらに、副業扱いとなることもありますから、副業に関する会社の規則を十分確認してから活動することは、就業先とのトラブルを未然に防ぐうえで必須といえるでしょう。
6.新たなライフスタイルを手に入れよう!
パラレルキャリアでの活動は、そこにしかない経験、知識、人脈などを得られる貴重な機会です。
必ずしも収入を得られるものではありませんが、将来の財産として役立つものになるはずです。
本業に依存しないキャリアを築くことで、変化の激しい現代社会に対応できるようにもなるのではないでしょうか。