最近よく聞くキャリアアンカーって何?
パチンコ転職ポイント 2024/2/13
皆さんは「キャリアアンカー」という言葉をご存じでしょうか?
自身のキャリアを形成する上で、「最も大切な価値観」のことを言います。
近年、キャリアの多様化が進む中で注目されている言葉です。
キャリアアンカーを早い段階に知ることで、生涯の仕事を選んで満足のいくキャリア形成が出来ると言われています。
今回は、注目を集めるキャリアアンカーについて、転職活動にどう活かすかなども含めて確認したいと思います。
1.キャリアアンカーの基本
「キャリアアンカー」とは、仕事の経験を指す「キャリア」と、船の錨(いかり)を指す「アンカー」を組み合わせた造語です。
アメリカの名門、マサチューセッツ工科大学名誉教授エドガー・H・シャインによって提唱されました。
キャリアアンカーは、生涯自分の働き方の中心となる考え方です。
自身が置かれる環境やライフステージによって変化するものではなく、自身のキャリアにとって不動の価値観を言えます。
「何がしたいか」「何が得たいか」といった一般的なことではなく、「どのように働きたいか」という個人の概念です。
キャリアアンカーは30歳前後に形成されると言われていますが、“なるべく早いタイミングでこの事を認識できれば満足度の高いキャリアや仕事を選択できる”ということですね。
キャリアアンカーはまさに現代にマッチした働き方の概念といえそうです。
2.注目される理由
近年、キャリアアンカーはキャリアを考える際の根幹として注目されています。
従来の働き方は、『企業が求めるスキルや経験に個人が合わせていく』のが一般的でした。
しかし、終身雇用が崩壊しつつある中で人材の流動性が高まり、働き方に対する考えも大きく変化しつつあります。
新しい働き方の概念では、これまでとは逆に個人が自分らしさ失わずに最大限のパフォーマンスを発揮できる環境を企業が用意することが重要になっています。
そのためキャリアアンカーが重視されているのです。
また、社員のキャリアアンカーに合った業務やプロジェクトに配置することで社員のモチベーションが上がり、パフォーマンスの最大化が見込めます。
企業にとっては人材流出を防ぐことにも繋がるといえるでしょう。
3.8つの分類
キャリアアンカーは8つに分類されています。
どれか一つのタイプだけでなく、複数の場合もあるでしょう。
その場合の優先順位はどうか、意識して考えるとキャリアを選択する上で役立ちます。
①管理能力(Managerial Competence)
経営者やリーダーなど管理職として集団を統率したいタイプです。
専門的な職務よりも組織を動かすような仕事に向いています。
②専門・職能別能力(Technical/Functional Competence)
専門分野のエキスパートを目指すタイプです。
専門家として能力を発揮し、現場で活躍し続けることを好みます。
技術職や研究職といった知識やスキルを積み上げる職業に向いています。
③保障・安定(Security/Stability)
社会的・経済的な安定を求めるタイプです。
大企業や公務員といった安定した組織で力を発揮します。
④起業家的創造性(Entrepreneurial Creativity)
起業家や芸術家、発明家タイプです。
新製品や新サービスの開発、新規事業の立ち上げなど挑戦を続ける働き方に魅力を感じます。
⑤自律と独立(Autonomy/Independence)
自分の裁量やペースで仕事をしたいタイプです。
組織のルールや規則に縛られるのは苦手で、研究職や技術職に多く見られる傾向があります。
⑥奉仕・社会貢献(Service/Dedication to a cause)
社会貢献に価値を感じるタイプです。
仕事を通じて世の中を良くしたり、人の役に立ったりすることに喜びを感じます。
医療、看護、教育系の仕事に多く見られます。
⑦チャレンジ(Pure Challenge)
困難に挑戦することに刺激や喜びを感じるタイプです。
分野に関わらず「挑戦しがいがある」と感じたことに興味があるため、多様なキャリアを持つことになる人が多い傾向があります。
⑧ワークライフバランス(Lifestyle)
仕事とプライベートを重視するタイプです。
仕事とプライベートのバランスを重要視しており、私生活を犠牲にすることはあまりないでしょう。
柔軟な働き方ができる職場が向いています。
4.キャリアアンカーを転職活動に活かせる?
キャリアアンカーを転職活動に活かすにはどうしたら良いのでしょうか。
【キャリアアンカーイコール適職ではない】
キャリアアンカーを知ることは適職を知るきっかけになります。
しかし、キャリアアンカーはあくまでも『個人の仕事に対する価値観』を明確にする自己分析手法で、必ずしも『向いている職種の傾向』を表すものではありません。
8種のキャリアアンカーで例示された職種は、参考程度に捉えるくらいでちょうど良いと思います。
心から満足して働けるキャリアを描くには、自分が仕事をする上で大切にしている思いや考え方を把握しておく必要があります。
後悔のない転職をするために、まず自分自身の現在地や将来の道をじっくり見つめる時間を持つことが大切になります。